MTGでは禁止改定というものが存在してあまりに支配的な環境だった場合に、特定のカードが禁止カードという扱いになり使用できなくなります。
そして今回『エルドレインの王権』発売後のメタゲームでかなり見かけてきた【王冠泥棒、オーコ】【むかしむかし
】【夏の帳
】が2019年11月18日にスタンダードで禁止発表をされました。
えーーー!
緑3枚もいかれたかーーー!!
と思いつつもまぁ仕方ないかと思うようなラインナップだったので素直に受け止めて新しい環境を楽しもうと思いますが・・・
禁止改定のおかげでアップ予定だった『セレズニアアドベンチャー』(【むかしむかし】がわりとキーカード)の動画と記事を書いてたのがお蔵入りになったのは悲しくて泣きそうです!!
さてここからはせっかくなのでMTGで過去にどのような禁止改定があったのかを少し見ていこうと思います。
MoMaの冬を生み出した『ウルザ・ブロック』(1999年)
スタンダードというフォーマットが整備されてからの初の禁止カードはウルザ・ブロックでした。
MTGの歴史の中でもトップレベルに驚異的なデッキである『MoMa』がスタンダードでの最初の禁止に!
MoMaについては以下記事にて紹介しています。
→【MTGデッキ列伝】過去の伝説的なデッキからアイディアを貰おう!!『最強のコンボデッキMoMa』
MoMaがあまりにも強すぎて時期は違うものの約半年の間に次々に禁止カードが生まれました。
【トレイリアのアカデミー】(ウルザズ・サーガ)
【意外な授かり物】(ウルザズ・サーガ)
【時のらせん】(ウルザズ・サーガ)
【ドリーム・ホール】(ストロングホールド)
【水蓮の花びら】(テンペスト)
【精神力】(エクソダス)
この禁止リストでは最初にMoMaのパーツが禁止されるたびに新しいパーツに入れ替わりMoMaが作られ続けたおかげで、最後にとうとうキーパーツである【精神力】まで禁止になってしまったという禁止ストーリーが隠されています・・・
※MoMaという名前は【精神力(Mind Over Matter)】の略称
他にもこの時期に禁止されたものでは
【大地の知識】(テンペスト)
【繰り返す悪夢】(エクソダス)
【波動機】(ウルザズ・サーガ)
【記憶の壷】(ウルザズ・レガシー)
中でも【記憶の壷】は【偏頭痛
】と合わせることでめちゃくちゃなダメージを叩き出せるということで最速の約1ヶ月で禁止になるというスーパーカードでした!
※記憶の壷のイラストが大好きだった・・・
この期間だけで10種類もの禁止カードを生み出したこの時期はもはや伝説級なのでは・・・ゴクリ
アーティファクトがテーマになった『ミラディン・ブロック』(2004年)
10種類もの禁止カードを生み出してしまった経験からかその後しばらく禁止カードというものはスタンダードで制定されていませんでしたが、アーティファクトがテーマとなった『ミラディン・ブロック』にて再度禁止カードが生み出されました。
【頭蓋骨絞め】(ダークスティール)
最強(最狂)のアンコモンであろうカードが生み出されました。
この時期はリアルではやっていませんでしたが、今見ても凄い能力・・・
パワーは上がり、クリーチャーが2ドローになるのはさすがに強すぎて禁止!
【古えの居住地】(ミラディン)
【教議会の座席】(ミラディン)
【囁きの大霊堂】(ミラディン)
【大焼炉】(ミラディン)
【伝承の樹】(ミラディン)
【ダークスティールの城塞】(ダークスティール)
アーティファクトがテーマということで登場したアーティファクトー土地もアーティファクトというメリットが大きすぎて禁止に!
そしてレアリティはコモン!
MTGでは土地は大事というのがよく分かります・・・
他にもこの時期に禁止されたものでは
【大霊堂の信奉者】(ミラディン)
【電結の荒廃者】(ダークスティール)
親和というアーティファクトを参照する能力があったおかげか、『ウルザ・ブロック』に引き続き大量の禁止カードが生み出されました。
さらに今回はコモン・アンコモンでの禁止も多く印象的なブロックに。
やはりアーティファクトや土地は調整がかなり大変そうです・・・
ちなみに『ミラディン』では1つのエキスパンションで6枚もの禁止カードが生まれて過去最多となっています。
個人的にはアーティファクトは大好きなので今後もギリギリの調整で強くしていってもらいたいと願うばかり!
神と呼ばれたジェイス『ゼンディカー・ブロック』(2011年)
やはり禁止カードが大量に生み出されたからか、その後はかなり平穏な時代を過ごしていましたが、有名なプレインズウォーカーにて禁止カードが登場。
【精神を刻む者、ジェイス】(ワールドウェイク)
当時やっていなかった人でも「神ジェイス」という名前を聞いたことがある人は多いのではないだろうか。
そんな彼も登場初期は環境にあったデッキへの対抗として上手く使われていたが、ローテーションで天敵が落ちたことにより一気に頭角を表しそのまま環境を支配するほどの存在へと昇華していく。
ジェイスを除去するためにジェイスを入れるとかいうもうメチャクチャな環境になり、めでたく?禁止になり彼は「神」として後世に語り継がれる存在へ。
※当時の伝説のルールでは「戦場に同名の伝説のパーマネントが2つ以上、あるいは同じプレインズウォーカー・タイプのパーマネントが2つ以上ある場合、それらをすべて墓地に置く」になっていた。
相手のライブラリートップを操作して支配するのは使われてて絶望しかなかった・・・
【石鍛冶の神秘家】(ワールドウェイク)
戦場に出たら手札に装備品を持ってこれる強力なクリーチャーで、モダンではモダン開始からつい最近まで禁止されていた強力なサーチカード。
生体武器というカードとの相性が最高でかなりの使用率を誇った。
ちなみに種族は同じだがナヒリではない。
この期間では2枚の禁止カードが設定されました。
プレインズウォーカーが初の禁止になったりとやはり「神ジェイス」は後世に残るほどの強さでした。
近年の禁止カードたち『戦乱のゼンディカー~アモンケット・ブロック』(2017、2018年)
その後またしばらく落ち着いたあとに再度禁止カードが登場。
この頃に禁止カードへの基準が見直されました。
【反射魔道士】(ゲートウォッチの誓い)
バウンスされるだけでも厄介なのにさらにすぐには再展開できなくなるオマケつきのカード。
他の禁止カードと合わせて環境調整のために禁止された悲しみの1枚。
【約束された終末、エムラクール】(異界月)
とんでもない誘発能力と、とんでもないパワーと能力を持つエルドラージ。
かなりファンも多いであろうクリーチャー。
相手のターンを奪えるとてもやられると嫌な能力で、物語ともども対戦相手を震え上がらせた。
マナ・コストを踏み倒して出すギミックもあったので非常に強力なカードだった。
【密輸人の回転翼機】(カラデシュ)
非常に軽く優秀なルーター。
2マナ3/3、飛行のルーターと考えるとやばそうだが、しっかりとやばかったためグランプリトップ8(今のMF)の使用率32枚を達成!
【守護フェリダー】(霊気紛争)
【サヒーリ・ライ】とのコンボが有名な猫。
やはり縛りのないパーマネントの明滅は悪さをするらしい。
もちろんパイオニアでも禁止!
【霊気池の驚異】(カラデシュ)
【霊気との調和】(カラデシュ)
【ならず者の精製屋】(霊気紛争)
エネルギーを用いたデッキが環境を支配していたために禁止カードになったカード達。
【ラムナプの遺跡】(破滅の刻)
【暴れ回るフェロキドン】(イクサラン)
エネルギーデッキを禁止したことによって、次点にあったラムナプ・レッドに勝てないのでは?という調整でとばっちり禁止になった。
※MTGアリーナでも最後の最後に少しだけ禁止を解除されたのも良き思い出。
2017年から約1年間で何度か禁止カードが生まれた期間。
禁止カードへの基準が見直されてから禁止カードに指定されるカードが増えてきました。
環境を支配していたりするカードは以前よりも禁止に指定されやすくなったかもしれません。
直近の禁止カードたち『イクサラン~エルドレインの王権』(2019年)
2017年からは毎年禁止カードが追加されていますが、MTGアリーナではこの時期から関係のあるカードが禁止になっていきました。
【運命のきずな】(基本セット2019)
このカードは特殊な禁止例で、MTGアリーナでのBO1でのみ禁止指定されたカード。
MTGアリーナをやっている人は記憶にあるのではないでしょうか。
また、フォイルしかないために公式大会では「山」をプロキシとして使用してる試合も放送された色々な意味で話題になった。
【死者の原野】(基本セット2020)
「エルドレインの王権」が発売された後に【不屈の巡礼者、ゴロス】を使用した形で環境を支配したカード。
実際にMTGアリーナでのランクマッチでも当たる頻度が高かった。
やはり土地が強いのは問題になることが多い・・・
【王冠泥棒、オーコ】(エルドレインの王権)
【むかしむかし】(エルドレインの王権)
【夏の帳】(基本セット2020)
【死者の原野】を禁止したことで環境が落ち着くかと思いきやモチロンそんな事はなく、【死者の原野
】がいた時から活躍していた【王冠泥棒、オーコ
】を使用した「フード・デッキ」が瞬く間に環境を支配しました。
MCでは実に69%もの使用率に!
さすがにここまで支配されたのならばと先日禁止となりました。
※神ジェイスに匹敵するプレインズウォーカー?
まとめ
今回はMTGのスタンダード禁止カードについて振り返ってみました。
こうみると意外と禁止カードがポンポン出てるわけではないんだなと。
ただ最近は禁止カード基準が見直されたからかコンスタントに出てますね。
この処置がスタンダードプレイヤーにとって楽しめる環境を作ってくれるのならば歓迎したいところ。
もちろんデザインの段階でこういったバランスを調整するのが一番なのでしょうけど、MTGはフォーマットの関係で過去のカードとのシナジーも考えないといけないのでデザイン作業はかなり大変そう・・・
MTGアリーナはDCGではありますが、紙のカードに準じているので他DCGのようにナーフというものが基本的にないので禁止にしたら使えなくなる→カードが売れなくなるという企業的にもかなり厳しい状況になると思うので禁止改定はかなり難しそうだなと思います。
今回「エルドレインの王権」の目玉であるプレインズウォーカーをしっかりと自ら禁止にしたことはゲームへのリスペクトがあるのではないかと思いました。
→プレイデザインの教訓
※しっかりガチ反省文も公開。
ただ今回の禁止でまた新しいメタが出てくるので新しい気持ちでMTGを楽しめるのは嬉しいですね!
新環境を楽しんでいきましょう!
禁止改定は禁止になるだけではなく禁止が解除されることもあります!
彼がいつの日か禁止解除されるのを待ちましょう、いつかまたオーコに会える日を夢見て。
それではまた次回。