GP静岡でレガシーのグランプリがありましたが観覧したでしょうか!
レガシーはやはりカードパワーが高くて楽しい!MTGの昔のカードには強力なカードが多数ありました。
そんな強力なカードを使っていた時代のデッキを今回からMTGデッキ列伝と題して紹介していきたいと思います。
現在のスタンダードももちろん最強に面白いですが、過去にはどんなデッキがあったのか歴史があったのかを少し興味を持っていただき、そこから現在も使えるようなデッキ構築のアイディアに繋がると良いなと願っています。
まず記念すべき第1回目のデッキは伝説的なデッキでもあるMoMaを紹介したいと思います。
MOMA
20年程前にテンペスト、ウルザというブロックがスタンダードで使える時代がありました。
※ブロックとは1年や半年の間に発売される共通のテーマやストーリーを持ったエキスパンションの集合の事
個人的にはかなり好きなブロックでストーリーもキャラクターもとても魅力的でした。
イラストもめちゃくちゃいいです!
そんなテンペスト、ウルザブロックの時期に生まれたデッキの中にMoMaというデッキがありました。
カードゲームで1ターンキルという言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか?
他のゲームだと1ターンキルは何ターン目でも1ターンで相手のライフを満タンから全て削る事に使われる事が多いですが、MTGの場合はゲーム開始の1ターン目に相手をキルすることに使われます。
そんな1ターン目に相手に勝利できるというロマン溢れるデッキのMoMaについて、当時のキーカード達とデッキの動きについて解説していきます。
デッキのキーカードその1
1ターン目から動くことができるようにデッキを支えるためのマナ基盤と、そのマナ基盤を動かすためのキーカードが必要になります、そのカードが【トレイリアのアカデミー】と【精神力
】になります。
【トレイリアのアカデミー】伝説の土地:自分のコントロールするアーティファクトの数だけ青マナを生み出すことができる。
そのためにデッキには以下の強力な低マナのアーティファクトが入っていました。
【水蓮の花びら】0マナ:生け贄に捧げる事で好きな色マナ1点を加える。
【モックス・ダイアモンド】0マナ:出る時に土地を1枚捨てる事でタップすると好きな色マナ1点を加える。
【通電式キー】1マナ:1マナとタップで対象のアーティファクトをアンタップする。
【魔力の櫃】1マナ:アンタップに4マナ必要だがタップで無色3点を加える。
例えば戦場に【モックス・ダイアモンド】【水蓮の花びら
】【魔力の櫃
】【トレイリアのアカデミー
】が出てる場合は最大で8マナ生み出すことができる!
しかもこれを1ターン目に出せる可能性もあるんです!ヤバイ!!
※1ターン目の場合は最大7マナ出る
そうやって生み出したマナでキーカードである【精神力】を戦場に出します。
【精神力】2UUUUの6マナエンチャント:カードを1枚捨てる:アーティファクト1つかクリーチャー1体か土地1つを対象とする。あなたはそれをタップまたはアンタップしてもよい。
カードを1枚捨てることで土地をアンタップできるエンチャント。
能力が超強力で1枚捨てることでアンタップすることができるので、これで手札を1枚捨て【トレイリアのアカデミー】や【魔力の櫃
】等をアンタップすることで大量にマナを生み出すことができる。
例えば上で上げた例だとアーティファクトが3枚戦場に出ているので1枚手札を捨てる事で【トレイリアのアカデミー】をアンタップして3マナ出す事ができる、その後ドローカードを打てればその枚数分マナを生み出すことが可能になる!やばい!!
デッキのキーカードその2
上記で説明したようなキーカードによって大量のマナを出すことができますが、【精神力】でアンタップに必要となる手札はどうしていたのでしょうか。
ドロー呪文も超強力なカードが使われていました。
【意外な授かり物】2Uソーサリー:各プレイヤーは自分の手札を捨てる。その後、プレイヤーが捨てたカードのうち最も大きい枚数に等しいカードを引く。
【時のらせん】4UUソーサリー:時のらせんを追放する。各プレイヤーは、自分の墓地と手札を自分のライブラリーに加えて切り直し、その後カードを7枚引く。あなたは土地を最大6つまでアンタップする。
上記2枚の超強力呪文で手札を潤沢にすることができます。
【意外な授かり物】は相手が7枚あるときに打てば3マナ7枚ドローというバケモノ級の性能になります。
そして【時のらせん】は使った場合土地をアンタップできるので、【トレイリアのアカデミー
】をアンタップして使うことで追加の大量マナを生み出すことができます。
この2枚があるだけで相当枚数を引くことができてコンボを安定させることができます。
最後に一番重要なカード【天才のひらめき】という呪文をご紹介します!
【天才のひらめき】XX2Uインスタント:プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーは、カードをX枚引く。
このカードがデッキのフィニッシュカード兼ドローカードになっています。
普通は相手のライフを減らすのでX点ダメージを撃ったりする事が多かと思いますが、このデッキのフィニッシュは相手に大量のカードを引かせてライブラリーアウトでトドメをさすというフィニッシュ方法もユニークなデッキになっています。本当に考えた人は凄い、カード名通りの天才のひらめきだったに違いない!!
MoMaはここで紹介したキーカードを上手く使って相手に勝つコンボデッキになります。
実際の動き
最後に1ターンキルのパターンの1つを解説をしたいと思います。
初手が【モックス・ダイアモンド】【水蓮の花びら
】【魔力の櫃
】【通電式キー
】【時のらせん
】【トレイリアのアカデミー
】【トレイリアのアカデミー
】の場合
まずは【モックス・ダイアモンド】【水蓮の花びら
】【魔力の櫃
】【通電式キー
】【トレイリアのアカデミー
】を戦場に出して出たマナで【時のらせん
】を唱えます
その後新しい手札の7枚からアーティファクトを追加して【トレイリアのアカデミー】から出せるマナを増やし【精神力
】を探します。
ドローをして【精神力】とドロー呪文を引くことができればそのままドローを続けて、精神力でマナに変換して大量のマナを生み出して【天才のひらめき
】を相手に叩き込むことで勝利!!
上に書いた方法以外にも手札はドロー呪文があり次のカードを探せる状況であれば1ターンで勝てる可能性があります。
MoMaの1ターンキル確率は実にスタンダードで5%を超えていたらしいです!
低く感じるかもしませんが、これが2ターン3ターンとなるとさらに確率が上がってくるので恐ろしい事です。
※筆者は昔プロキシカードで遊びまくったのですが想像以上に決まります!というかすっごい楽しいです!
実際にデッキが強力すぎて『MoMaの冬』と呼ばれる時期があったそうです。
禁止になるまでの間にあった公式大会で全ての環境でほとんどがMoMaに染まっていたというカオスな時期、それだけこのデッキが強烈だったのが分かるエピソードですね。
ちなみにあまりにも強力すぎたために、発売後わずか2ヶ月で【トレイリアのアカデミー】【意外な授かり物
】が禁止になりましたが、その後も他のカードでコンボを模索するプレイヤーとの戦いが続き、さらに4ヶ月後に【水蓮の花びら
】【時のらせん
】それから2ヶ月後に【魔力の櫃
】がローテーションでスタンダードから姿を消し、さらにさらに1ヶ月後に【精神力
】がとうとう禁止指定されてMoMaは姿を消すことになりました。
MoMaという名前は【精神力(Mind Over Matter)】の略称
そんなこんなで色々と騒ぎがあったMoMa事件もあり、ウルザブロックからは結構な枚数の禁止カードを作り出してしまった開発チームは社長室に呼び出されて怒られるという逸話が語られることになったのです・・・
しかし本当にMoMaは面白い永遠に1人回しすることができます!
そしてこういったデッキを組むデッキビルダーは凄いと思います!
現在でも面白いデッキがまだまだ組めそうなのでガンガン考えていきたいですね!
ちなみに凶悪だった【トレイリアのアカデミー】のリメイクが現スタンダードでカードになっています。
【宝物庫襲撃】【カトラカンの宝物庫
】で現代でも凄いコンボデッキができるかも!?
よし!いろいろとカードリスト見返してみようっと!!
それではまた次回のデッキ列伝でお会いしましょう!!
最後に当時のMoMaのデッキリストを掲載しますので興味があるかたはプロキシを作って遊んでみてください!
※MTG Wiki参照
土地(19)
4 Tundra
4 Volcanic Island
3 真鍮の都/City of Brass
4 古えの墳墓/Ancient Tomb
4 トレイリアのアカデミー/Tolarian Academy
呪文(41)
4 水蓮の花びら/Lotus Petal
4 モックス・ダイアモンド/Mox Diamond
4 魔力の櫃/Mana Vault
3 通電式キー/Voltaic Key
2 巻物棚/Scroll Rack
3 精神力/Mind Over Matter
4 意外な授かり物/Windfall
4 時のらせん/Time Spiral
3 中断/Abeyance
3 直観/Intuition
3 魔力消沈/Power Sink
4 天才のひらめき/Stroke of Genius