以前メタゲームの記事をアップしたとき、その中でメタゲームはくるくる回るという説明をしましたが、メタゲームが一気に動くタイミングというものが存在します。
大きめの大会の、その結果が出た後
このタイミングが一番デッキの変化が見に見える時だと思います。
直近ですと、先週(日本時間では11月9~11日)行われたプロツアー『プロツアーラヴニカのギルド』スイスラウンドがあります。
今大会の最終順位は
優勝:Andrew Elenbogen 《白ウィニー》
準優勝:Luis Scott-Vargas 《白ウィニー》
と白ウィニーがワンツーフィニッシュを決めるという結果で幕を閉じました。
それでは全体の成績から見えてくるメタゲームはどうなっているのでしょうか。
今回は先週開催されたプロツアーを振り返ってみて、メタゲームの流れを見てみましょう。
プロツアー『ラヴニカのギルド』トップ8デッキ分布
予選通過順位 | 選手名 | デッキ名 |
1位 | Wilson Mok | 「ジェスカイ・コントロール」 |
2位 | Michael Bernat | 「白ウィニー」 |
3位 | Kasper Nielsen | 「ボロス・アグロ」 |
4位 | 渡辺 雄也 | 「イゼット・ドレイク」 |
5位 | Tay Jun Hao | 「白ウィニー」 |
6位 | Jérémy Dezani | 「ボロス・アグロ」 |
7位 | Luis Scott-Vargas | 「白ウィニー」 |
8位 | Andrew Elenbogen | 「白ウィニー」 |
なんとトップ8には白系をアグロが6人もいる事態になりました。
これだけみると白のほぼ一人勝ちですね(^^;
ですが、トップ8だけだと全体のデッキの分布まで見ることができませんので、少し掘り下げてスタンダードラウンドの成績を元に見ていきましょう。
スタンダード全10回戦中で2日目進出、デッキ使用率、6勝以上人数をまとめました
プロツアー『ラヴニカのギルド』デッキ分布
初日 |
2日目 |
|||||
アーキタイプ |
使用者数 |
使用者数 |
デッキ使用率 |
2日目進出率 |
6勝以上人数 |
6勝以上率 |
ゴルガリ・ミッドレンジ |
113 |
71 |
22% |
63% |
40 |
35% |
赤白アグロ |
81 |
56 |
17% |
69% |
28 |
34% |
赤単アグロ |
64 |
43 |
13% |
67% |
20 |
31% |
イゼットドレイク |
66 |
45 |
14% |
68% |
18 |
27% |
ジェスカイコントロール |
56 |
32 |
10% |
57% |
18 |
32% |
ボロス・天使 |
19 |
12 |
4% |
63% |
5 |
26% |
ボロス・アグロ |
18 |
12 |
4% |
67% |
6 |
33% |
セレズニア・トークン |
13 |
10 |
3% |
77% |
6 |
46% |
青単テンポ |
16 |
7 |
2% |
44% |
5 |
31% |
白ウィニー |
8 |
6 |
2% |
75% |
6 |
75% |
ディミーア・コントロール |
9 |
5 |
2% |
56% |
2 |
22% |
セレズニア・ミッドレンジ |
8 |
5 |
2% |
63% |
2 |
25% |
ターボ・フォグ |
9 |
4 |
1% |
44% |
2 |
22% |
エスパー・コントロール |
5 |
4 |
1% |
80% |
3 |
60% |
グリクシス・コントロール |
9 |
3 |
1% |
33% |
1 |
11% |
ビッグレッド |
1 |
1 |
0% |
100% |
1 |
100% |
上記をみるとやはりプロツアー前からのトップデッキであるゴルガリミッドレンジが一番人数が多いです。これは長いこと使用しているプレイヤーも多いと思うのでプレイ練度にも関わってきているかと思います。
ついで横展開で素早く仕留められ、ゴルガリ対策の【トカートリの儀仗兵】を入れられる赤白アグロが2番人気。
3,4番手はほぼ同じ数ですが、イゼットドレイク、赤単アグロどちらも結果を残しているデッキになります。
サイドボードを見てみると、ゴルガリミッドレンジ対策になる【トカートリの儀仗兵】やイゼットドレイク対策になる【溶岩コイル
】【一斉検挙
】コントロールへの最後の1発になりうる【苦悩火
】等がよく見られることになりました。
またアグロの対策としては【焦熱の連続砲撃】【黄金の死
】等が採用されています。
しかし今回のプロツアーで凄いなと衝撃を受けたのは、白ウィニーが決勝ラウンドに4人も残っていることでした。
実に使用者の75%が決勝ラウンドに残っています。
全体の使用数が少ないので率はあまり関係ないかもしれませんがこれは凄い!
今回は白ウィニーの速さと展開について行けないというメタを読み切って調整したチームが凄かったということになりますね!使い手も凄いですが・・・
ちなみに白ウィニーを作った経緯については『Channel Fireball』のサイトに上がっているので御覧ください(英語)
※Channel Fireballは世界のトッププレイヤーで構成されている調整チーム
またこの白ウィニーはサイドボードから赤を足せるのも柔軟に対応できるテクニックになっています!
実際使用してみたところ驚きの速さでなぎ倒していくのがかなり楽しいデッキでした。
また白ウィニーのデッキ解説も別にあげますので詳しくはそちらで御覧ください。
他にも目を引くデッキ
セレズニアトークンが6勝以上46%というかなり良い結果を残しています。
このセレズニアトークンは使用プレイヤーはほぼ日本人でした。
日本人調整チームの作ったデッキも結果を残しているので嬉しいですね!
かなりの横展開ができ、大量の絆魂トークンでライフも回復できます。サイドボードにはコントロール対策やゴルガリ対策もできる柔軟なデッキだと思います。
前から結果を残しているデッキなので今後もかなり期待できるのではと思います。
コントロールを見てみると
エスパーコントロールが使用者は少ないですが勝率はかなり良い結果を残しています。
全体除去などを豊富に使いクリーチャーを対策して、プレインズウォーカーを生き残らせつつ【変遷の龍、クロミウム 】でトドメを指す形になっています。
サイドボード後は手札破壊等も入れるザ・コントロールといったデッキ。
ジェスカイコントロールと合わせて今後もよく見るデッキになりそうです。
イゼットドレイクは4番手のデッキ使用数になっていますが、【貪る死肉あさり】【溶岩コイル
】【残骸の漂着
】といったカードで除外するという手段で対策をとられやすいからか6勝以上の割合は少しだけ低くなっています。
あとはどうしてもフェニックスやゴブリン等の引きによっても、勝率の変化があるという部分も難しい要素になるのかもしれません。
そしてこの表の中で一際輝いているのが、6勝以上の割合100%のビッグレッドでしょう!
除去や壁で守りつつ、上から巨大なクリーチャーで攻めるというなんとも潔いデッキです
性能の高い飛行クリーチャーが入っているので一度展開を許すとプレッシャーがもの凄いことに、デッキリストがほぼ4枚ずつで綺麗なのも特徴ですね!
今一番使ってみたいデッキです!
以上がプロツアー『ラヴニカのギルド』 のメタゲームになります。
いかがだったでしょうか。
MTGアリーナ目線でいうと、プロツアーが終わってからすぐに白ウィニーが増えた気がします。
その後はまたゴルガリミッドレンジにも当たりだしたので、資産やプレイ練度の関係でしばらくは
ゴルガリミッドレンジ
イゼットドレイク
赤単アグロ
白ウィニー
をよく見かけるようになるのではないかと思います。
さて今回の結果を受けて、次の大きな大会グランプリ静岡(11月29日~12月2日)
この大会のスタンダードでどういったメタゲームの変化があるのか!?今から楽しみにしていこうと思います!
参考サイト
デッキ紹介
別記事にてトップ8に残った渡辺プロの使用したデッキ「イゼット・ドレイク」の紹介をしています。